【Netflix】世にも奇妙な物語×近未来×ブラックコメディなブラック・ミラーが面白過ぎる【海外ドラマ】
今更なんですが、すでにシーズン4まで進んでいるネットフリックス産「ブラック・ミラー」が面白過ぎたので、ちょっとだけレビューします。
まだ1-3までしか観てないですが、続きが楽しみで仕方なし。
「マスターオブゼロ」のような一話完結ものなんですが、マスターオブゼロを「アラレちゃん」「マスターキートン」とするならば、こちらは大友克洋の「さよなら日本」「ハイウェイ・スター」のように完全なオムニバス作品となっています(主人公、設定が完全に別物ということが言いたい)。
"近未来"という縛りだけで様々なテーマに取り組んでいて、こういう未来が本当にあり得るかも、あったらいやだなあ、と思えるちょうどいいラインを見事に押さえています。
1-1
ある日イギリス国王妃が誘拐されて、首相宛てに誘拐犯からのビデオメッセージが届くとこから物語は始まります。
犯人の要求内容がなかなかに狂ってるんですが、、その要求にどう対処するのか、といったところが焦点となった作品です。
機密事項として扱いたい国家に対し、YoutubeやTwitterなどで猛烈に拡散していく情報、民衆の関心などがかなりフラットに描かれています。国家元首としての立場、家族、王族との立ち位置、世論のコントロールなど、心理描写がとてもリアルで、観てる私としてはどの立場でもドキドキしちゃうっていう。
何度見ても面白いでしょう、きっと。
1-2
完全に未来な世界で、日々の生活をしっかりコントロールされた主人公の目覚めから始まります。
いわゆる”貧民層が貧民層から抜け出せない苦悩”という世界が共通して抱えている問題を、かなりコンパクトにまとめたお話です。
あらゆることに対する「記号化」という手法がこんなに活きた作品も珍しいんじゃなかろうか。
では貧困から抜け出すためにどうするのか・・それは、唯一の手段である才能発掘バラエティ番組「ホットショット」に出演し、認められること。
この辺は、アメリカのオーディション番組を強烈に皮肉った内容となっています。強烈すぎて、あんまり番組への思い入れがない私も「こんな感じなんだー」と思わずにいられません。
生活のあらゆるシーンで広告が映し出され、スキップしようとすると手持ちの残高が削られるっていう設定も生々しくてグッときますね。ありえそう、って。笑
1-3
首筋に小型の大容量ストレージを埋め込み、肉眼で見た記憶映像をTVでも見るかのように再生できる技術が普及した近未来のお話。
実際、後から写真や映像で見直すと「あ、違和感ある」「これ言わなくてよかったよね」などといった通り過ぎていく不具合って日常にたくさんあるわけですが、記憶の再生、共有が可能な世界なもんだからもう大変。
見事に夫婦間の諍いに発展していきます。
この作品では、それぞれが体験した過去の映像をみんなで鑑賞するというシーンがちょこちょこ出てくるんですが、やっぱり人の見てきたことって面白いですよね。娯楽番組とかっていらなくなっちゃうんだろうなーとか考えながら観てました。
同時に過去のいいとこ悪いとこを何度も何度もループ再生できちゃう。。
もはや過去に生きているような状態にもなれるという。
これはこれで恐ろしいことだなと。便利すぎるのも考え物だなという皮肉たっぷりな内容となっていました。
3話しかまだ観ていないですが、今のところ90年代当時の"世にも奇妙な物語”っぽくて大好きです。
強烈なインパクトのテーマに心の深い部分を揺さぶられるというか。ブラックユーモアのセンスがものすごく黒光りしているオムニバスに仕上がっています。
もともと何か面白いのないかなーと流し見しようとしていたんですが、最終的にはがっぷりよつで1-1の話に食いついている自分がいました。すごい吸引力です。
こんなすごい話の連続ががシーズン4まで続くなんて。ほんとありがたやありがたや。毎日1話ずつ味わおうってするんですが、面白過ぎて2~3話観ちゃうんだろうなー。うれしい悩みです。